砂浜 sand beach 2004 7 31

 人間には、欲望があります。
最初に、食欲、性欲でしょうか。
そして、物質欲、金銭欲でしょう。
こうした欲望は、本人の努力によって、解消されていくでしょう。
 しかし、最後に残るものが、名誉欲です。
科学者であれば、ノーベル賞でしょうか。
政治家は、大統領や首相でしょう。
サラリーマンならば、社長でしょう。
 しかし、ここが最後の関門となるのです。
ここを転機に、転落していく者も多いのです。
 多くの者は、こうなるのです。
苦労に苦労を重ねて、あるいは、数多くの政敵を倒して、
やっと大統領や首相になれた。
しかし、大統領や首相になったら、何をやったらいいか、わからなくなってしまった。
結局、スタッフや官僚の言いなりになって、やがて、任期が終わっていく。
 こうした人は、大統領や首相になるのが、目標だったのです。
ですから、目標が達成されてしまうと、困ってしまうのです。
 しかし、あくまでも、大統領や首相は、手段にすぎないのです。
大統領や首相には、目的があるはずです。
それは、国民を幸福にするという目的です。
 もちろん、多くの人にとって、
政治家が、本人の名誉欲のために、大統領や首相になったのか、
あるいは、国民を幸福にするために、大統領や首相になったのか、わからないでしょう。
 しかし、それは、時間や時代が証明していくのです。
名誉欲のために、大統領や首相になった場合、
その名誉は、砂浜に書いた文字のようなもので、
やがて、潮が満ちてくれば消えていくのです。
こうしたものは、時間に耐えることができないのです。
歴史の中に消えていくのです。
 しかし、国民を幸福にするために、大統領や首相になった場合、
やがて、潮が満ちて、消えていくように見えても、
潮が引いてくれば、また現れてくるのです。
それは、岩に書いた文字に等しいからです。
 私心が多ければ、砂に書いた文字となり、
私心が少なければ、岩に書いた文字となります。

判断 judgement 2004 7 9
 世の中の常識ある人は、不思議に思うでしょう。
あれほど、一流大学を卒業しているのに、
あれほど、経歴が立派なのに、
なぜ、判断を間違えるのか。
学歴のない自分でも、そんな判断はしない。
 それは、こういうことです。
天才でも、私利私欲があれば、判断を誤ります。
だから、天才でない人は、私利私欲があれば、当然、判断を誤ります。
 明治時代の政治家は、それほど頭は良くなかったのです。
しかし、近代日本を建設する原動力となったのです。
それは、明治時代の政治家が、無私、かつ無欲だったからです。
それどころか、日本のために、自分の命を捨ててもよいと考えていたのです。






















































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